こんばんは。
連れが仕事で海外に行ってしまい独り寂しいサンシローです。
…。
さて、今回は「文章の悩み」というテーマでお送りしたいと思います!
私がブログを始めてみて驚いたことは、作家やライターでもない一般の方々が、毎日かなりの量の文章をガンガン書いているということです。
ちなみに私の昨日の記事の文字数を調べてみたら2500字を超えていました。amazon等のコピペもなく、目次箇所もすべて手打ちなので、これは結構な分量です。原稿用紙でいうと6枚以上…
1日に原稿用紙2〜3枚しか書かないという作家さんもいることを考えると(当然、プロの作家さんの文章の質は凄まじいわけですが…)、ブログ界では分量的にはプロ級でものを書いている人がゴロゴロいるというわけです。
だから、はてブとかでもよく文章ハック的なエントリが人気になっているのですね。私も含めて、他に仕事もあって忙しいブロガーの方々には、効率的な文章の書き方がどうしても必要なわけです。
というわけで、このブログも今回からその流れに乗って(←短絡的)、新しく「文章術」を注力ジャンルに追加しようと思います。
【効く!サプリ】
さて、前置きが長くなりましたが、文章術記念すべき第一回は板坂元さんの名著『考える技術・書く技術 (講談社現代新書)
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この本は私が大学時代に読んで大いに感銘を受けた本です。知的生産の本質に関する深い洞察を展開しつつ、かつ日々の生活ですぐに実践できる発想法、思考法、文章術が満載の本です。
今回はその中でも私がもっとも影響を受けた「説得」する技術です。
板坂さんは、文章を書く際には、考えをまとめるだけでなく、「他人に理解してもらうための戦略戦術をねる努力」が必要と言います。
どんなに内容自体が優れていても、伝え方がよろしくないと、相手は納得してくれないのです。
では、どうすれば相手が納得してくれる文章を書くことができるのか?
板坂さんは「だきこめ」「なめられるな」「のせろ」という3つのユニークな技術を紹介しています。
@「だきこめ」=読者を自分の味方に引きずり込む技術
・私小説的アプローチをする
もともと私小説は著者の貧乏話・失恋話・病苦などみじめな生活を
読者が覗き見できるところに面白さがあった。著者の告白や懺悔は、
読者の心を引きつけ、簡単に参らせる力を持っている。
・「われわれ意識」をつくる
「わたくし・あなた」を使わずに「われわれ」を使うと、「われわれ意識」
つまり「あなたもわたしも同じ仲間だ」という気持ちを作り上げる。
・「一匹狼イメージ」をつくる
反体制的な姿勢を示し、生活苦をはじめとする困難に直面して、
雄々しく戦う姿を見せれば「一匹狼イメージ」が作れる。
一匹狼イメージは一般大衆に大いに受け入れられる。
A「なめられるな」=読者の信頼・尊敬を得る技術
・独自の表現を使う
読者が100%理解できる文章だと有難みが薄れる。所々に難解な表現や
自分なりの新しい表現を使い「この人は違う」という印象を植え付ける。
・大家から引用する
同じ内容の話でも、微々たる人物が言うより、偉い人が言う方が、
世間は尊敬して聞くもの。そのような大家の言葉を適度に引用すれば、
文章に説得力が増し、尊敬・信用を得ることができる。
・数量化する
引用だけでなく、統計データなどを使って説明を「数量化」すると、
情動のレベルで相手を信じさせる有力な手段となる。
B「のせろ」=読者を自分のリズムに乗せる技術
・ひとつの話題は1200字以内にする(三枚主義)
ひとつの話題は原稿用紙3枚以内くらいに収める。これは新聞の連載小説と
同じくらいの分量。このくらいだと集中力が途切れることなく読める。
・変化をつける
読者は、ずっと同じ抽象レベルの文章を読んでいると飽きてしまう。
具象と抽象を切り替え、抽象レベルに変化を持たせる必要がある。
・比喩表現を使う
比喩表現は読者の情動にうったえて説得力を増す技術。
<比喩表現の練習方法>
・アダ名をつけてみる
・身の周りの事物から色・形・感じの似た別なものを連想する
・時には文を長くする
「文章上達法」の類で言われる「短文」ばかり並んでいると、
印象の弱い文章になる可能性がある。所々文を長くすると、
文全体の調子にリズムが生まれるし、読者を飽きさせない。
【感想】
いかがでしたでしょうか?
「こんなことまで明かしていいの?」と言いたくなるくらい、結構えげつない方法まで書かれてましたよね。「難しい言葉で『この人は違う』という印象を持たせる」とか(笑)
私はネット上でだけでなく、リアル世界でもこれから文章を死ぬほど書いていかないといかない身なのですが(大学院の論文とかレポートとかですね)、この手の文章術っていったいどこまで人に明かしていいものかと悩むことがあります。
日垣隆さんが『すぐに稼げる文章術
しかし、少し視点を変えて考えてみると、「文章術」として公開できるということは、その技術にある程度の「一般性」があるということです。
作家というのは自分の文章を売りにして、生活をしているわけですから、その文章はユニークなもの、つまり「個性的」である必要があります。
つまり、作家とは「テクニック」として一般化できない「個性」を文章で表現できる人間なのです。真の作家の価値は、自身の文章術を公開することでは少しも揺るがないのです。
逆にいえば、自身の文章術を公開できない作家は一般的な優等生的な文章しか書けない作家と言えるかもしれません。
私も、これから文章を書いていく者の端くれとして、人に、自分の学んだ文章術を、余裕で公開していけるような人間になりたいと思います。
【効く!コトバ】
「料理の本に、肉何グラム・玉ねぎ何個・バター大さじ何ばい、というふうに指定してあるけれども、馴れてしまえば目分量で料理をつくれるようになるし、また自分の好きな味というものは、めいめいの経験でつくり上げるのが本当だろう。これと同じことで、文の持ち味も、その人自身が計算づくでやっているうちに、自然にできあがって行くものと思う」(P.162)
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タグ:文章術