| 読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~ (小学館101新書) (小学館101新書 1) | |
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勝間さんのブログには既に多数の書評・感想が寄せられているので、
今回は概要を省略し、ちょっと固めに、感想のみ書きたいと思います。
★勝間さんの『読書進化論』公式ブログはこちら
勝間和代のBook Lovers (ブックラバーズ)
読後最初の印象は「これは一筋縄ではいかない本だな」ということ。
なぜ一筋縄ではいかないのかというと、「ジャンル分けが非常に難しい本だ」という所です。
『読書進化論』はまず「読書が人を進化させ成功させる」という、いわゆる「読書のすすめ」から始まります。読書のすすめというと、各界の読書人が自らの読書経験を披露し、読書の効用を述べ、人を読書へ誘うことを目的に書かれたものです。
しかし、『読書進化論』は中盤からがらりと様相を変えます。「読み手の視点」から「書き手の視点」へとシフトするのです。第三章「『書く人』も進化する」では、「自分の考えていること、生きてきたこと、経験してきたことをアウトプット」する最良の方法として、「本を出版すること」が述べられます。
自分の意見を本以外のメディアで発信しようとすると大変です。講演会だとひとつの会場で参加できる人数は限られているし、テレビだと番組内のわずか数分〜10分程度しか与えられないため今度は時間の問題が出てきます。
しかし、本であればまとまった考えを広範囲に発信することができます。勝間さんは「もしあなたが広く深く世の中に向けて何かを発信したいと思っているのなら、現在の技術要件とビジネスモデル下では、『本を書く』のが、いちばんリーズナブルで、てっとり早い手段です」と主張しています。
では本を書くためにはどうすればよいのでしょうか。勝間さんは「自分メディア」で日々の生活の経験からインプットすること、ブログで自分の考えをアウトプットすること、「書く技術」系の本を読むことなどを推奨しています。
また、「勝間式『相手がわかりやすく読みやすく書く』ための4つの技術」として次の4点が紹介されています。
@「自分の事例」「アンソロジー形式」を利用して親しみを持たせる
A「役に立つフレーズ」を必ず入れ、読書だけに体験を閉じない
B「共通体験」や「流通していることば」を使って行動を促す
C「コンテンツ力」と「編集力」で進化していく
(※各詳細に関しては実際の書籍をご参照ください)
特にBには大きくうなづきました。勝間さんは「書きことばを理解してもらい、自分の体験を相手にわかりやすく疑似体験をしてもらうには、比喩を使うことが効果的」と言います。私も予てから人に説明するための比喩としては「料理」と「野球」がベストと思ってきたのですが、勝間さんも「食べものの話やスポーツの話などがお勧め」と仰っています。
「読み手の視点」の次は今度は「売り手の視点」にシフトします。第四章「『売る』仕組みを進化させる」では、「マーケティングの4P(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)」を挙げて、今後の出版業界の方向性について意見が述べられています。
勝間さんは、「出版業界は『プレイス』(流通チャネル)と『プロモーション』(広報宣伝)が弱い」と言います。なぜ弱いのかというと、本1冊あたりの単価が700円〜2000円くらいと安価でマーケティングに十分な予算や手間をかけられないのだろうと言います。
しかし、勝間さんは書籍だって、マーケティングを工夫すればまだまだ売上をアップさせる余地はあるといいます。書店、ネット、コンビニチャネルなどの「プレイス」、メディアへの露出、著者ブランドの活用などの「プロモーション」。この2つを見直して「売る」仕組みを作る。勝間さんは「本も手間暇に応じて、普通に売れるじゃない」と言います。
このように、『読書進化論』は、従来の「読者の視点」で終始してしまっていた読書論に対して、新しく「書き手の視点」と「売り手の視点」も導入したのです。
冒頭にも述べたようにこれまでの読書論は、「読み手の視点」からの「読書のすすめ」という形式がほとんどでした。しかし、インターネットが発達した「ウェブ社会」においては、「読み手」は同時に「書き手」にもなり、情報を発信することが求められます。
ブログ、amazonレビュー、はてなブックマークなど、ウェブ社会の中心的なサービスはユーザーの参加なしには成立しないビジネスになっています。「読み手」が「書き手」にならないと、ウェブ社会は成立しないと言っても過言ではないと思います。
同時に、ウェブ社会の発達は、これまでの出版業界のあり方に構造的な見直しを迫っています。もはや、書籍は従来型のマーケティング方法を踏襲しているようでは、ウェブの前に降伏せざるをえない状況にまで来ています。
勝間さんは「本は人を進化させる」と言います。そしてまた本も人によって進化する必要があると主張しています。『読書進化論』は、ウェブ時代に求められる、人だけでなく本も進化させるための手引書なのです。
『読書進化論』は従来の「読み手の視点のみの読書のすすめ」に、新しく「書き手」と「売り手」の視点を導入した画期的な読書論です。『読書進化論』以降の読書論は、もう「書き手」と「売り手」の視点なしには語ることができないと言っても過言ではないのではないでしょうか。
【効く!コトバ】
「私はいつも『書く努力の5倍、売る努力をする』と説明しているのは、実はこういう意味なのです。本は、書くだけではなく、売ることを合わせて、完結すると思っているためです。なぜなら、本の主題が自分のメッセージを届けることなのに、年間8万点近くの新刊がある中、読者に、『その本の山から探し出してくれ』と押しつけるのは非常に不親切かつ無責任だと思うからです」(P.164)
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参加賞を郵送にてお届け致します。勝間さんのサイン入り『読書進化論』となります。お名前&ひとことを書き添えてお届け致しますので、ご住所と、ご希望のお名前などがおありになる場合には、1月20日までにdokusho@shogakukan.co.jpまでお知らせくださいませ。
また、読書進化論サイト上にて、受賞作品の紹介を行う予定です。ご了解いただけますと幸甚です。小学館出版局 小川美奈子
ご連絡いただきありがとうございます。
勝間さんの『読書進化論』は思い入れの強い本だったので、感想文にも自然と力が入りました。
今回はそれを評価いただけたとのことでとても嬉しく思います。
今後も小学館101新書と勝間さんを応援して行きたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いします。