本日は、「自分で格差を是正したい!」の記事に引き続き、格差時代のサバイバルをテーマに書きたいと思います。
まず前提条件として、現代は富める者と貧しい者との間の格差が広がり、
2極化が進んでいると言われています。
この状況を打開するためには、社会を変えていくことが当然必要なのですが、
それには時間がかかるし一人ではできない。
だからこそ、まずは「自分を変えて、この格差社会をのし上がって行こう!」
というスタンスが大事なのだと書きました。
その際に勝間和代さんの「知的生産術」も大いに役立ってくるわけです。
今の経済格差はネオリベラリズムが原因とよく言われますが、
これからは情報格差も経済格差に直結していくような時代になってくる。
そのような時代には、情報を効率良くインプットし、それに自分の付加価値を与えて
アウトプットできる人間が生き残っていけるというのです。
では、知的生産術に限らずもっと広く、この「格差時代」を生き抜いていくためには、
どういうスタンスや考えを持つべきなのか。
その答えを教えてくれるのが、小飼弾さんの『弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
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この本を読んだ第一印象は、神田昌典さんの『非常識な成功法則―お金と自由をもたらす8つの習慣
「キレイ事ではない、本音で語られた成功本」というものでした。
非常識な成功法則―お金と自由をもたらす8つの習慣
神田 昌典

神田さんは、成功するためにはまずは「悪のエネルギー」が必要といいました。
成功するのはとてつもなく大変だから、「嫉妬、敵対心、ミエ、虚栄心」といった悪のエネルギーがまずは必要だと。
そして短期間の内に成功したら、今度は手に入れたお金と権力で、
世のため人のために役立つことをしよう、と主張しているのです。
一方、小飼さんは、成功するためにはまずは「自分の状態を正確に知る必要がある」と言います。
自分の状態を正確に知ることができれば、
自分の生活や考え方のどこに問題があるのかが分かります。
では、自分の状態を正確に知るためにはどうすればいいのか?
小飼さんは、まずは「全てをカネで考えろ!」と豪語します。
具体的には「バランスシート」で物事を捉えろということです。
バランスシートとは「資産」「負債」「資本」で構成された貸借対照表のことですが、
小飼さんはこれを「カネ」「モノ」「ヒト」に仕訳して、世界を考えようと言うのです。
全てを「カネ」で考える、というと抵抗を持つ人も多いと思います。
しかし、全てを「カネ」として考えることで、初めて自分にとってボトルネックとなっている
「負債=モノ」が「見える化」されるのです。
日々の生活や人間関係の中でなあなあになっていたことがすっきり見えるようになってくるのです。
そうして明らかになってきた自分のバランスシートを、
今度は「モノ」ではなく、「ヒト」を伸ばすことでレベルアップしていこうと主張します。
「ヒト」を伸ばすとは、まずは自分のスキルを磨くことです。
小飼さんは世界は「無記名の善意」つまり、本やインターネットなど、
「特定の誰かのために作られたのではないモノすべて」で溢れていると言います。
「無記名の善意」は誰でも自由に使えますが、その分自分で行動を起こさないと何も起こりません。
だからこそ、自分自身の情報感度を広げ、
積極的に行動していくスキルを身につける必要があるのです。
次に、「ネットワークにおける自分の価値を高める」ことも重要になります。
小飼さんは、現代はインターネットの登場により、コミュニケーションが「少・密」から
「多・疎」へ変化してきていると言います。
そのような状況の中で、自分自身がリスクを取って「ハブ」になることにより、
自分自身の価値を高めることができると言うのです。
さて、このように「カネ」で成功した先にはいったい何が待っているのでしょうか・・・?
小飼さんは、その先には「心の報酬」が待っていると言います。
「カネ」で成功した「究極のエゴイスト」にとっては、
「人に感謝されること」が一番嬉しくなります。
「人間は、他人を喜ばせて初めて満足できる生き物」だと小飼さんは言います。
つまり、「究極のエゴイスト」とは「利己的」であるのと同時に「利他的」になると言うのです。
現に小飼さん自身が、オープンソースの研究で、「自分が作ったプログラムが
世の中をよくするかもしれない」という期待が最大の利益になったと言います。
つまり、「カネ」の成功の先には、世界に貢献するという、
「カネ」では買えない巨大な「心の報酬」が待っていると言うのです。
【感想】
充実した内容の本でした。
記事には書けませんでしたが、各章ごとのブックガイドも参考になりました。
こういう本のブックガイドってたいてい同じような本が並びがちなんですが、
小飼さんの場合だとビジネス、社会経済、自然科学、環境問題など多岐に渡りとてもお面白かったです。
冒頭にも書いたように、この本は「本音で」語った成功本だと思います。
また、更にこの本は、格差社会や暴走する経済への「本音の」対処法が記された
「評論」としての側面も持っています。
小飼さんの語り口を読んでいると、不思議と糸井重里さんが吉本隆明さんにもたれた
感想と似たものを感じました。
「吉本隆明さんのことばが、ザラザラしていたり意表をつくような
逆説に見えても、聞いていて気持ちがいいのは、ごまかしたり、
ウソをついてないからなのだと思う」(『悪人正機』P.3)
「ほんとのことを言うのは、いちばん簡単なことなのに、それが
できなくなっているからことばがどんどん腐って死んでいく。
死んだことばで書かれた説教も処方箋も、役には立たないし、
生きていくにはじゃまなものだ」(前掲書 P.4)
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ここに、「ほんとうのこと」を言う新たなブロガー(思想家?)が誕生した。
小飼さんには、今後は是非論壇デビューもしていただきたい所です。
(小飼さんは「行動される方」なので、論壇は嫌いかもしれませんが)
最後に私が一番心に残った文章を。
小飼さんは過酷な現代の競争において、「一部の限られた勝者だけがすべてのカネを
手にするというなら、ゲームに勝つにはゲームそのものを」作ればいいと言っています。
「自分が勝てるゲームを作る」・・・そんなことできるのでしょうか?
それができると弾さんは言うのです。
【効く!コトバ】
「60億人を勝者にするには、ゲームの種類はたった60種類でいいんですよ。
『60億が多い』なんて言ったら、60兆の自分の細胞に笑われちゃいます」(P.117)
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弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
小飼 弾

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