2009年01月08日

私が書評ブログを止めようと思った理由

新年初記事のエントリが遅くなり、ご挨拶も遅れてしまいました。
みなさま、明けましておめでとうございます。

今年最初の記事で、しかも突然のお知らせで恐縮なのですが、
この度、このブログを無期限の更新停止にすることを決めました。

昨年の8月からという短い期間ではありましたが、この間に他のブロガーの方々と新しい交流が生まれたり、著者の方からコメントをいただいたり、また書いた記事が感想文コンテストで賞をいただいたりもしました。続けていく内にだんだん良くなっていくなという実感もなくはありませんでした。

しかし、悩みに悩んだ末に今回、更新停止という結論にいたりました。

もちろん、一般的に、今まで続けてきたことを突然止めるというような決断には、それなりに多くの理由が重なった上でという場合がほとんどだと思います。私の場合も、このような自分にとっては大きな決断に至った理由は、何か決定的な1つの要因によってもたらされたものではないと認識しております。

このブログのひとまずの締めくくりとして、
今回、私がビジネス書の書評ブログを止めようと決断した様々な要因の中から、
3つを取り上げてお伝えさせていただければと思います。

これは全くの偶然なのですが、その3つの理由を改めて考え直してみると、驚くことに3冊の本の影響から生じていることに思い当りました。このブログも書評ブログの端くれだったので、最後もきちんと本を紹介して締めたいと思います。

本によって始まったブログは、本によって終止符を打たれる運命だったのかもしれません。



それでは理由をお伝えしていきます。

私がこのブログを止めようと決めたまず第一の理由は、「この分野でナンバーワンにはなれない」と判断したからです。

ビジネス書のブログ界にはご存知の通り、キラ星のごとき有名ブログが多数存在しています。良質な本との出会いを提供してくれるだけでなく、記事自体読んでいて面白い素晴らしいブログばかりです。

あるブログは独自の感性でスゴ本を次々と切っていき知的興奮に満ちたブログを書かれています。ある方は年中無休で長文の記事をひたすら更新し続けるというパワーあふれるブログを書かれています。またある方は、専門知識を駆使して読むべき良書を説得力ある文章で薦めるブログを書かれています。

正直、ビジネス書ブログという分野で、私がどんなに頑張っても、このようなキラ星のごときブロガー諸氏にはどうあがいても勝てないと私自身は判断しました。

無論、ブログなんてものは趣味でやるものであり、その分野でナンバーワンを目指す必要なんてないという意見もあるでしょう。しかし、ブログは可能であれば毎日のように更新するのがベターなメディアですし、日々の多くの時間を取られることは確かです。時間を割くからには上を目指したいし、それに私自身中途半端なのが嫌いな性分という理由もあります。

私が「ナンバーワンになれないのなら止めた方がいい」という結論に至った過程で大きな影響を受けたのが、セス・ゴースティンの『ダメならさっさとやめなさい!』です。

ダメなら、さっさとやめなさい! ~No.1になるための成功法則~ダメなら、さっさとやめなさい! ~No.1になるための成功法則~
有賀裕子

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この本は書名の通り、成功するために「やめる」ことがいかに大切かを説いています。著者は、あらゆる職業において、自分が「世界で最高」になれる分野を見つけるべきだと主張します。そして、世界でナンバーワンになるためには、「運命の谷」という厳しい試練を乗り越える必要があります。

人生には無数の「運命の谷」が存在します。その中には自分がナンバーワンになれない「運命の谷」も存在します。それを著者は「行き止まり」と表現しています。著者は多くの人が、自分が一番になれない分野の「行き止まり」乗り越えようとして、労力と時間を無駄にし、成功するチャンスを逃しているといいます。

つまり、成功するためには、自分がナンバーワンになれる分野が何かを見極め、それ以外の分野はきっぱりとやめて、持てる全精力を、自分が一番になれる分野の「運命の谷」を這い上がることに、集中させなければいけないのです。

「『自分なら征服できる』と思える運命の谷を見つけ出すだけでなく、他に、行き止まりにぶつかって足踏み状態になっていることがあったら、そのすべてをきっぱりとやめる必要がある。」(P.52)

「今度何かをしていて『投げ出したい』という気持ちが湧きあがってきて、その時の成果が人並みだったら、『意味ある選択肢は二つに一つだ』と思い起こしてほしい。やめるか、とびきりの存在になるか、どちらかなのだと。平均点なら負けたも同じだ。」(P.70)

プロフィール欄にも書いている通り、私は昨年とある企業を退職し、これから大学院へ進学する身です。私自身、ビジネス書は大好きですが、ナンバーワンを目指すべき分野はアカデミズムであり、ビジネスではないのです。(それに実学ではないアカデミズムはしばしばビジネスと衝突しさえします。)自分の持てるリソースはすべて、自分にとって一番重要な分野に注がなければいけません。これが第1の理由です。

ブログ停止の第2の理由は、本当に、「物理的に時間が足りない」ということです。1番目の理由とも関連しますが、限られた時間をどう使うかで人生の質というものは変わってくると思います。人生は一度きりです。人生において本当に何かを成し遂げたいと思うのであれば、その分野にとって不要なことに時間を割いているヒマはないのです。少し窮屈でせわしない生き方ではありますが。

私がこのような考えに至るのに影響を受けた本は、日垣隆さんの『ラクをしないと成果はでない』です。この本の11節目に、「『つまらない』と思ったら、できるだけ早く撤退する」というものがあります。ドイツ文学者であり評論家の西尾幹二さんは、ある時「ブログをやめた」という話をされて、その理由が、今70代の自分はあと10年か20年か生きられないから、その間にどうしても書きたい本があって、ブログをやっている時間はない、と判断されたことだそうです。

ラクをしないと成果は出ないラクをしないと成果は出ない
日垣 隆

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「『何かを残していきたい』あるいは『これだけはやっておきたい』というものをやるかやらないか。人の価値はそこにあるのではないでしょうか。」(P.38)

「自分の人生のテーマにとって、つまらないことなら、手を引きましょう」(P.39)


無論、私にとってビジネス書はつまらないテーマではありませんでした。しかし、自分の人生のテーマにとっては、優先順位は低い事柄であると考えました。無論、ブログのみを唯一の表現手段としており、ブログによって「何かを残していきたい」と考えている方は、ブログをずっと続けていくべきだと思います。しかし、他の分野で「何かを残していきたい」と考えているのであれば、その分野に関係ないのであれば、それは手を引くべきなのだと思います。

3つ目の理由は、「本を売るための文章を書くことに耐えられなくなった」ということです。この理由はもしかしたら、私にとって最も根深い要因かもしれません。

これは私の実感でしかないのですが、書評ブログというものの大半はビジネス書をメインにしたブログなのではないでしょうか。このことは人気ブログランキングの「本・読書」カテゴリなどを見ても明らかです。これだけビジネス書の書評ブログが増加しているのは、昨今のビジネス書業界で、「読んだ本をアウトプットせよ!」というテーゼが、ほとんど常識のように主張されるようになってきたことが大きく関係しているのだと思います。

ビジネス書の書評ブログは、元々ビジネス書に啓発して始められているため、自ずとビジネス書至上主義的な内容のブログが多くなります。また、ビジネスに関心のある方が運営しているので、多かれ少なかれアフィリエイトを目的としています。

そうなってくると、アソシエイト収益をアップさせるために、自然と読んだ本は手放しで称賛する必要が出てきます。また、ビジネス書業界では、著者の方が自著をブログで紹介してもらうことに熱心なため、自著の評判を知るために、日夜ブログ検索をかけていないという方はいないでしょう。そのため、好意的な書評を書けば、著者の方が見つけてくれて、御礼コメントももらえるというメリットもあります。

また、ビジネス書業界では最近「人脈本」が非常に流行っています。「自分自身が経済的に成功するために、人とのつながりを大事にし積極的に活用していこう」というテーゼが常識化しています。そのため、今や勉強熱心なサラリーマンは一昔前(?)のベンチャー企業家のように、とにかくひたすら人脈を求めて一緒にメシを食いまくるという日々になっています。そのような状況の中、書評ブログは格好の人脈構築ツールと見なされるようになり、ここでも著者に好かれることを目的とした迎合的な記事を書くことが求められてきます。

要するに、読んだ本を買ってもらうため、あるいは著者や他のブロガーとの人脈を作るため、というように、打算的に文章を書くということが、ビジネス書の書評ブログでは、意識的であれ無意識的であれ、強いられているのだということです。

無論、ビジネスマインドに基づいて打算的にブログを書くことが100%悪いことだとは思いません。それに、完全に自分の趣味で書いているだけという方ももちろんいらっしゃるでしょう。しかし、私の場合は、どうにもうまくやっていくことができなくなってしまったのです。ビジネス書の書評ブログをやるからには、ビジネスとしてもある程度結果を出したいし、それでも打算的な文章は書きたくないしという、矛盾した状態に陥ってしまったのです。

本を売り込むための文章、あるいは著者の顔色をうかがうような文章を書かずに、結果を出すという方法もあると思います。現にそうやって結果を出しているブログもたくさんあると思います。しかし、私にはそういう器用なことはできませんでした。正直、「この本はオススメです」という一言を書くことすら苦痛になってきてしまったのです。

私が打算的な文章を書き続ける内に段々弱まってきてしまった理由は、私自身のもともとの文章観に根ざしている気がします。私が大学時代に読んだ、桑原武夫さんの『文学入門』は、すぐれた文学に必要な3つの条件として、「新しさ」「誠実さ」「明快さ」を挙げています。この条件は文学を対象にしてはいますが、私にとっては「良い文章とはどういうものか」と考える際に、いつも戻ってきて参照する価値観の根っこのようなものになっています。

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桑原 武夫

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この3つの条件の内の「誠実さ」は、それなりに込み入った概念なのですが、私は「対象に抱いた興味・関心・感動などを、読者に迎合することなく、誠実に表現し、あくまでその結果として読者にも感動をもたらし、かつ何らかの行動まで起こさせること」と理解しています。要は、良い文章というのは、いかなるものにも迎合せず、自分の気持ちや考えを誠実に表現することなのです。そのような文章観から、私は無意識的に打算的になっていくブログの文章に、次第に耐えられなくなっていき、結果止めることを決断したのです。



以上が、私がビジネス書ブログを辞めるという結論に至った主な理由です。始めてまだ6か月足らずの幼いブログではありましたが、いざ止めるとなると、何か寂しい気持ちが生まれてきます。しかし、自分なりに長い目で見て考えての決断です。

ビジネス書というテーマでは行き詰ってしまいましたが、今後はアカデミズムの分野でまた新しいブログを立ち上げたいと思います。その際はハンドルネームを変更しているかもしれませんが、プロフィールや文章の雰囲気でもしかしたらまた見つけていただけるかもしれません。

最後になりましたが、1度でもこのような拙いブログにお越しいただき読んでいただいた方すべてに御礼を申し上げます。また、本ブログはしばらくは残そうと思いますが、更新自体は停止するため、リンクを貼っていただいている方は解除いただいてももちろん構いません。

短い間でしたが本当にありがとうございました!!
  
posted by サンシロー at 12:27 | Comment(50) | TrackBack(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月31日

不況が更に悪化するであろう2009年をサバイブするために読みなおしておきたい実用的ビジネス書10冊

今年は世界的な金融危機で、企業の倒産や大規模なリストラが相次ぐ暗い年でした。私もプライベートで一般企業を退職して、一時期職安に通っていたので、職探しに苦労している人たちをたくさん見ました。新しい勤め先でも、前にいた企業が倒産して転職してきた方が何人かいて、身近な所での不況の深刻化を肌で実感しました。

今回の不況は長期化するといわれているので、来年は今年以上に試練の年となるかもしれません…。しかし、くじけるわけにはいきません。こんな厳しい時代だからこそ、個人の能力を磨いて逞しく生きていかないといけない…ですよね!

というわけで、私が今年、本ブログを通して紹介した本を中心に、激動の2009年を生き抜くために役立つであろう実用的なビジネス書を10冊ピックアップしてみました。固い経済書ではなく、あくまで日々の生活や仕事で使える実用的な本に絞っています。「困難な時ほど基本に立ち返る」という真理のせいか、王道的な選択になりましたが、もしまだ読んでいない本があったら、ぜひ1度チェックしてみてください!


@「困難な時こそ基本に立ち返る」ための本

「原因」と「結果」の法則「原因」と「結果」の法則
James Allen 坂本 貢一

サンマーク出版 2003-04
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人は困難な時に、自分の不幸を環境のせいにしてしまいがちです。しかし、そんな時こそ、「今の自分の状況は自分の思いの結果なのだ」という原因と結果の法則を思い出すべきなのだと思います。要は「起きていることはすべて自分の捉え方次第である」という教えを説いた本書は、まさにあらゆる自己啓発書の原点ともいえる作品です。

A「辛い時こそ周囲の人を大切にする」ための本

人を動かす 新装版人を動かす 新装版
デール カーネギー

創元社 1999-10
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生活に余裕がなくなってくると、ついつい身の周りの人にきつくあたってしまいがちです。辛い時こそ、近くにいる人を思いやることが大切なのだと思います。特に付章の「幸福な家庭をつくる七原則」が役立ってくると思います。

B「背負いすぎていた荷物を捨てて身軽になる」ための本

すべては「単純に!」でうまくいくすべては「単純に!」でうまくいく
小川 捷子

飛鳥新社 2003-02-24
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普通に生活しているだけでも、気がつくと重い荷物をたくさん背負ってしまっているのが今の世の中の定めだと思います。そんな時は、余計なものを全部脱ぎ棄てて、生活をシンプルにするのが一番です。

C「逆境に負けない目標達成力を身につける」ための本

-1063人の収入を60日で41%アップさせた-目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」~-1063人の収入を60日で41%アップさせた-目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」~
堀江 信宏

フォレスト出版 2008-12-12
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一度決めた目標に向かって日々努力し続けるということは、容易にできることではありません。ましてや社会全体が暗いムードに包まれている時はなおさらです。そんな時こそ、目標達成する技術を身に付けて、逆境に打ち勝つ自分を作るのが大切だと思います。

D「困難をバネにして自分を成長させる」ための本

仕事は、かけ算。 ~20倍速で自分を成長させる仕事は、かけ算。 ~20倍速で自分を成長させる
鮒谷 周史

かんき出版 2006-06-07
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著者の鮒谷さんも、勤め先の倒産による突然の解雇という困難を経験されましたが、そこから独自の「かけ算」思考により、ご存じ日本一のメルマガ発行者として大成功されています。本書でぜひ困難をバネにして成長する方法を学びたいところです。

E「会社に頼れない時代の個人ブランド力を身につける」ための本

トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈1〉ブランド人になれ! (トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦 (1))トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈1〉ブランド人になれ! (トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦 (1))
Tom Peters 仁平 和夫

阪急コミュニケーションズ 2000-03
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会社に頼れない時代になったのを憂う人もいれば、これを活躍のチャンスと捉えて果敢に行動をする人もいます。著者のトムさんはまさに後者です。会社に頼れない時代は、ホワイトカラーの革命の時。個人が自分自身のブランドを構築して活躍する時代なのです。

F「情報化社会における労働生産性をアップさせる」ための本

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法
勝間 和代

ダイヤモンド社 2007-12-14
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情報化社会における仕事のあり方を示してくれる本。著者の勝間さんは成功を精神論ではなく、技術論や道具を上手に駆使したライフハックにまで落としこんでいる所に人気の秘密があります。しかし、一番の魅力は勝間さん自身の生き方であるような気がします。

G「格差社会を生きる自分を棚卸しする」ための本

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
小飼 弾

アスペクト 2008-09-25
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バランスシートを自分自身に適用して棚卸しすることを薦める本。格差社会における自分の価値の高め、成功する方法を学ぶことができます。著者の小飼さん自身が、プログラミング、ブログ、投資など、現代社会を象徴するような分野でそれぞれ大成功をおさめているだけに説得力があります。

H「辛い時こそ己の心と体を安定させる」ための本

成功と幸せのための4つのエネルギー管理術―メンタル・タフネス成功と幸せのための4つのエネルギー管理術―メンタル・タフネス
Jim Loehr Tony Schwartz 青島 淑子

阪急コミュニケーションズ 2004-10
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世の中が厳しい時に、自分の身体まで壊してしまったら本も子もありません。辛い時代だからこそ身体が資本になります。本書では、肉体のトレーニングを基礎にして、情動、頭脳、精神を鍛えて、エネルギーを全開にさせるための方法と習慣を学ぶことができます。

I「それでも諸般の事情で望まぬ失業をしてしまった時にとりあえず食べていく」ための本

退職してトクする失業生活バイブル退職してトクする失業生活バイブル
katsu

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どれだけ注意していても、今の時代いつ勤め先を解雇されてもおかしくありません。もし転職先等も決まっていない状態で、止むを得ず失業せざるを得ない場合に是非読んでおきたい本です。ハローワークの利用方法、雇用保険のもらい方、失業生活の暮らし方、転職のコツなど具体的なノウハウが満載です。(本書はブログでは紹介していません。)

【総論】

以上、試練の1年を乗り切るための実用的ビジネス書を選定してみました。人間は幸せな時よりもむしろ、辛い時にこそ、その本性が現れるのだと思います。困難な時こそ自分自身の真価が問われます。自分を見つめ直し、心と体を鍛え、知恵を身に付け、スキルを磨き、試練の2009年を乗り切って行きましょう!!

  
posted by サンシロー at 10:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライフハック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月28日

【特集:思考術】思考停止した頭を目覚めさせるスキル―細谷功『いま、すぐはじめる地頭力』

いま、すぐはじめる地頭力いま、すぐはじめる地頭力
細谷 功

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今年大ヒットした細谷功さんの『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』の基礎編です。内容を基本的な事柄に絞り、図やイラストを多用して分かりやすく解説しています。細谷さんは地頭力を「結論から、具体的に、単純に」考える能力と定義しています。知識の量や、論理的思考力とはまた違った、自分の頭で考えるコツを身につけることができます。

本書で特に勉強になったのが、自分の頭で考えることを妨害する「阻害求心力」という概念です。「阻害求心力」とは思考停止をもたらす日常的な「思考のクセ」のようなものです。本書では具体例として次のようなものを挙げています。

・結論から考える「仮説思考力」の阻害求心力
 完璧主義、情報依存症、正解依存症など

・全体から考える「フレームワーク思考力」の阻害求心力
 自己中心主義、視野狭窄、先入観など
 
・単純に考える「抽象化思考力」の阻害求心力
 具体性依存症、重箱シンドローム、短絡的発想など

私たちは普段このような「思考のクセ」に縛られているため、注意深く取り除いていかないと、自動的に「思考停止状態」に陥ってしまうのです。

「思考停止」とはいわば自分の頭で考える自由を放棄した状態です。前回の『知的複眼思考法』でも、「ステレオタイプ」に縛られることが、自分の頭で考えることを妨げてしまうことが述べられていましたが、人が自由にものごとを考えるためには、今回のような日常的な「思考停止」の危険にも立ち向かっていく必要があるのだと思います。

・日常生活がパターン化している
・他人の考えばかり追従している
・問題解決力を身につけたい


そのような悩みをお持ちの方にお勧めの1冊です。
  
posted by サンシロー at 11:00 | Comment(3) | TrackBack(0) | ビジネススキルの悩み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【特集:思考術】"マトリックス"から脱出するための思考本―苅谷剛彦『知的複眼思考法』

知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)
苅谷 剛彦

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映画『マトリックス』は未だに、普段物思いに耽っている時に、ふと思い出す、記憶に強く残る映画でした。我々が日常だと思っていた現実世界は、実は機械が人間の脳内に作りだした虚構の世界だった。救世主ネオとその仲間達は真の自由を手にするために、機械との戦いを決意する…。

普段「当たり前」と認識している世界が、実は虚構の世界だったという恐ろしさ。これは何もSFの世界の中だけでなく、私たちが生きている現実でも似たようなことが起きているのです。その最たるものがマスメディアです。例えば、テレビや新聞でよく「働く意欲のない若者が増えている」というコメントがされていますが、そういう報道にばかり接していると、何だか街の若者がみな「働く意欲がない若者」に見えてきてしまいます。

しかし、実際には働く意欲があるのにそれぞれの事情によって働けなくて苦しんでいる若者も当然います。つまり、マスメディアは、紋切型の報道で「ステレオタイプ」を作り出すことで、一種の「虚構の世界」を作り出していると言えるのです。

ステレオタイプの中で考えている限り、いつまでたっても真の自由を手に入れることはできません。本書『知的複眼思考法』は、そのようなステレオタイプに縛られた「単眼思考」から抜け出し、相対的な視点でものごとを考える「複眼思考」を身につけるための考え方やテクニックを教えてくれます。

「複眼思考」が身につけば、ありきたりの考え方や紋切型の考え方に囚われずに、独自の視点で、自分の頭で、考えることができるようになります。「複眼思考」とは、いわば「ステレオタイプ」というマスメディアが作りだした「マトリックス」から脱出するための最強の武器と言えるのではないでしょうか。

本書では、思考術の他にも、批判的な読書の仕方、ニュースの読み方、文章の読み方など、実践的なテクニックが多数紹介されています。それぞれが、「複眼思考」という根本的な考え方に結びついており、単なるノウハウ本に留まらない奥の深い内容になっています。

・自分の頭でものごとを考えたい。
・常識に囚われないものの見方をしたい。
・世の中のニュースに関して独自の意見を持ちたい。


そのような悩みをお持ちの方にお勧めの1冊です。

知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)
知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)苅谷 剛彦

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大学新入生に薦める101冊の本 考えあう技術 (ちくま新書) 哲学のモノサシ 日本人の英語 (岩波新書) 創造の方法学 (講談社現代新書 553)


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2008年12月22日

【名著】キッパリ断言!最高の営業本―フランク・ベトガー『私はどうして販売外交に成功したか』

私はどうして販売外交に成功したか (Life & business series)私はどうして販売外交に成功したか (Life & business series)
フランク・ベトガー

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数ある営業指南本の中でも間違いなく最高の1冊、と断言しても何ら支障はないと確信できるくらい素晴らしい本です。マインドマップ的読書感想文や、『10年後あなたの本棚に残るビジネス書100』などでも取り上げられているので、ご存知の方も多いかと思います。

その堅苦しいタイトル、地味な表紙、初版が1964年という古さから、スルーされている方もいらっしゃるかと思いますが、とにかくいっさいの偏見を捨てて絶対に読んで欲しいと心から願わずにはいられない本です。営業は勿論、少しでもセールスに携わっている方には必読の名著だと思います。

著者のフランク・ベトガーさんは、プロ野球選手を解雇されて、口べたで人見知りというハンディを抱えながらも、保険販売の世界で大成功を収めた伝説のビジネスパーソンです。本書はそのようなベトガーさんが、どのようなスタンスで営業に挑み、どのような手法を使って営業成績を上げ、どのような理念を持って困難を乗り越えたのかを、惜しげもなく公開した本です。

私が最も心を打たれたのは、ベトガーさんの営業に対するスタンス、つまり姿勢です。「パッション」と言い換えてもいいかもしれません。ベトガーさんは所属球団を解雇された後、失意のどん底の中、一度別の球団で再度選手としてスタートします。その時のベトガーさんはまさに火の玉のように野球に打ち込んで、抜群の成績を収めます。

営業に対しても同じです。ベトガーさんは、「その見込客に、こんな熱心なセールスマンはいまだかつて一度もぶつかったことがない、と思わせるように心に期した」と言うくらい、営業の仕事にも火の玉のようになってぶつかっていきます。そのような「パッション」があれば、たとえ厳しい目的でも必ず達成することができるのです。商品知識や、セールストークも大事ですが、それらよりも遥かに必要なのが、お客さんの心を揺さぶる「パッション」なのです。

本書では、このような営業が持つべきスタンスの他に、ベトガーさんの25年間計4万回の営業訪問で培われた至高の営業技術もちりばめられています。それはもはや、技術というより莫大な経験に裏付けられた「叡智」と言った方が適切かもしれません。特に、第7章の「こうすれば必ず成功する」と、第24章の「販売に成功する7つの原則」は秀逸です。読めば必ずや自分の仕事に変化をもたらしてくれること請け合いです。

とにかく、営業に関する本を1冊だけ読むのだとしたら、間違いなくこの1冊をお勧めします。ビジネス書の売り文句にありがちな「バイブル」という言葉に、これほど偽りがない本は珍しいと思います。

・営業成績をアップさせたい
・営業の仕事にモチベーションを持てない
・営業スキルに磨きをかけたい


など、セールスに関するあらゆる悩みに、必ずや何らかの示唆を与えてくれるであろう素晴らしい本です。

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私はどうして販売外交に成功したか (Life & business series)
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私はこうして全米ナンバーワンの営業マンになった―経験ゼロの「落ちこぼれ大リーガー」が極めたセールス術 (East Press Business) 営業は断られた時から始まる (Life & Business Series) お客さまがまた来たくなる  ブーメランの法則 凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫 (新潮文庫)



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